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2023.08.14

井上宗一郎|ホーバスに見出されたパワーフォワード

井上宗一郎|INOUE Soichiro
PF/201㎝/105kg/1999年5月7日生まれ/越谷アルファーズ/筑波大学出身/東京都出身

 

世界に挑む!男子日本代表候補インタビュー

井上宗一郎|ホーバスに見出されたパワーフォワード

 

長身で体格が良く3Pシュートが得意

梅丘中学校→福岡大附大濠高校→筑波大学とバスケットボール界のエリート街道を歩んできた井上宗一郎。梅丘中学校では八村阿蓮(群馬クレインサンダーズ)や相原アレクサンダー学(香川ファイブアローズ)らと同級生で、福岡大附大濠高校では高校3年生のときのインターハイで優勝(明成高校に1点差で勝利)、ウインターカップで準優勝(明成高校に7点差で敗退)を経験した。

留学生のいない福岡大附大濠にとって身長200㎝(当時)の井上は貴重なセンターで、下級生の頃は線が細かったが、高校2年生から高校3年生にかけて肉体改造に励み、最上級生となった年は留学生にも負けないフィジカルを身に付け、まさにチームの“大黒柱”に。体のコンタクトを厭わないゴール下での献身的なプレーで4年ぶりのインターハイ優勝の立役者となり、3年ぶりのウインターカップ決勝進出に貢献した。そのプレーを見込まれて、ウインターカップ後の2018年1月16日にはライジングゼファーフクオカと特別指定選手の契約をしている(大学入学前の3月31日までの期間限定)。

筑波大学では、大学2年生のときに第72回全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)で優勝を経験。大学3年生時にはチームはインカレ準優勝、自身は優秀選手賞を受賞し、また三遠ネオフェニックスと特別指定選手契約を結んでいる(2020年12月29日~2021年3月12日)。そして、自身が4年生となって迎えたインカレは3位(準決勝で白鷗大学に敗れ、3位決定戦で専修大学に勝利)。その最後のインカレ、日本大学との準々決勝は14点差を追いかける展開で4Qに入り、終了間際に井上の3Pシュートで同点に。その後、2度の延長を制して勝利するという劇的な展開だった。この試合、井上は3Pシュート3本を含む22得点(チームハイ)を挙げるだけでなく、リバウンド8とインサイドでも奮闘している。

そうした長身&体格の良さ、そしてアウトサイドシュートを得意としているところをトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)に評価され、2022年6月30日に初めて日本代表に選出されると、翌日に行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選Window 3のオーストラリア戦で代表デビュー。この試合は11分18秒の出場で無得点だったが、2日後の7月3日に行われたチャイニーズ・タイペイとの試合では18分59秒の出場で14得点、6リバウンド、2ブロックをマークし勝利に貢献。中でも3Pシュートは6本中3本を決める高確率で、ホーバスHCの期待に応えた。「これまでU16、U18、U22とアンダーカテゴリーの日本代表としてプレーしてきて、日本代表になるのが夢であり目標でした」という井上にとっては悪くないスタートを切った形だ。

 

日本代表のPFとして欠かせない存在に

その活躍がホーバスHCに認められた井上は、FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選Window 4のイラン戦&カザフスタン戦、Window 5のバーレーン戦&カザフスタン戦、Window 6のイラン戦&バーレーン戦とコンスタントに出場。またFIBAアジアカップ2022にも全試合に出場し、日本代表のパワーフォワード(PF)として欠かせない存在であることを証明してきた。

そうして日本人としては体格&シュート力で秀でた井上だが、残念なのは外国籍選手が2人同時にコートに立つことができるオンザコート2のレギュレーションを採用しているB.LEAGUEではPFとしての出場機会を得るのが難しいこと。筑波大学卒業後、2021‐22シーズンから2022‐23シーズンまで渋谷サンロッカーズと契約し、デビュー戦となった京都ハンナリーズ(1月26日)との試合こそ19分59秒の出場で3本の3Pシュートを含む11得点と活躍を見せたが、その後はなかなかプレータイムを得られず、2023-24シーズンは越谷アルファーズへの移籍が決まった。B1チームからB2チームへの移籍だが、出場機会を求めてということではこの選択は自身のレベルアップに必ず寄与するはず。井上本人も「ともにB1昇格という大きな目標を達成するため身を粉にして頑張ります」と意気込んでいる。


Bリーグでは外国籍選手とのマッチアップが多く、代表にも生かされることが多い

FIBAバスケットボールワールドカップ2023に向けては、「前回のFIBAバスケットボールワールドカップ2019や東京2020オリンピックとはメンバーが変わり、HCも変わり、バスケットボールのスタイルも変わりました。誰にでもチャンスがある中で掴んだ日本代表なので、自分の持ち味である4番ポジション(PF)で3Pシュートを打てて決められるところ、そして体を張ったディフェンスを頑張りたいと思っています」と言う井上。ホーバスHCからはシュート力についての信頼は高いようで、「ディフェンスで足と手を動かすこと。ボックスアウトで体をぶつけてということをよくアドバイスされています」とディフェンスの部分でのさらなるレベルアップを期待されているようだ。

そのホーバスHCの戦略・戦術について井上は、「ロングツーを打たず、インサイドと3Pシュートで勝負するという明確な戦い方を採用しているので、ポイントが決まっていて戦いやすいです。僕自身、初めてファイブアウトをやっていますが、やってみたらやってみたですごくやりやすい部分があり、自分に合っていると思いました」と言う。そして同時に、「大学のときから3Pシュートを打っていましたが、そのシュート力に関して自分が思っている以上にホーバスHCに評価していただき、日本代表に選んでいただきました。また、ホーバスHCが求めているバスケットが、それを最大限発揮できるスタイルだったことも良かったと思います」と、自分の力を高く評価してもらったこと、そしてB.LEAGUEでは埋もれていたプレーに光を見出してくれたことに感謝している。

来るFIBAバスケットボールワールドカップ2023では、チームとしてオリンピックの出場枠を獲得できるアジア1位を目指しているが、「日本代表には3Pシュートとスピードを武器にできる選手が集まっています。良い意味でアジア1位という期待を裏切れるように、僕自身もオフェンスでは3Pシュートを決めたり、ディフェンスでは体を張った相手の嫌がるプレーをして、チームに貢献できるよう頑張ります」と井上。「自分がやれることを信じているので不安はないです」ともコメントする井上の活躍に期待したい。


ストレッチ4として3Pシュートを武器とする

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