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2023.08.14

馬場雄大|あくまでも攻めのバスケで1勝をもぎ取る

馬場雄大|Yudai BABA
SG/195㎝/90㎏/1995年11月7日生まれ/――/筑波大学出身/富山県出身

 

世界に挑む!男子日本代表候補インタビュー

馬場雄大|あくまでも攻めのバスケで1勝をもぎ取る

 

抜群の身体能力をフル稼働し、スーパーダンクでファンを魅了

馬場雄大は、富山第一高校時代から抜群の身体能力を発揮し、大型オールラウンダーとして将来を期待されてきた逸材だ。こんなエピソードがある。高校3年のウインターカップ富山県予選で出場権を獲得した翌日のこと。当時、高校へは自転車通学をしていた馬場だが、なんと交通事故で負傷するアクシデントに見舞われてしまった。せっかくつかんだウインターカップの出場権、どうしてもコートに立ちたかった馬場にプレーの許可が出たのは大会1週間前。武器である足が「情けないほど動かなかった」という最悪のコンディションのまま本大会を迎えたが、やはり馬場は凡人ではなかった。試合は1回戦で敗退したものの、故障から復帰したばかりとは思えない走りで、ファストブレイクから両手で叩き込んだダンクシュートは、「高校生離れしている」と取材陣の度肝を抜いた。

そんな馬場だから、高校1年生のときにはU16、2年次には飛び級でU18のアンダーカテゴリーの日本代表に選ばれ、筑波大学進学後もユニバーシアード代表となり、2年次には初めて日本代表候補入りと順調に日本代表の道を歩んできたのもうなずける。さらに、筑波大学在学中(4年)にはB.LEAGUEのアルバルク東京と契約し、2年目の2018-19シーズンにはチームを連覇へと導く大活躍でファイナルMVPを獲得した。

高い運動能力を生かしたダイナミックなプレーが持ち味

そしてその年の夏に、NBAのダラス・マーベリックスの一員としてNBAサマーリーグに挑戦。実はこのときの経験が馬場のバスケットボール人生のターニングポイントとなった。「それまでまったく見えていなかった海外でバスケットをするという道が急に目の前に出てきました。例えば、どのようにして海外のチームと契約できるのかなど、海外へとパーッと目線が広がったんです。それによってそこから日本代表でもすごく自覚を持ってやるようになりました。初めて日本代表に入った最初の頃は学生の延長で、日の丸を背負う自覚もあまりなく、フワフワしていたところがあったんです。でも、アメリカでプレーをするようになってから、日本を代表して日の丸を背負う責任と自覚を持つようになりました。僕にとってサマーリーグに参加したことは大きかったです」と、海外への第一歩を踏み出したことが、日本代表でプレーすることの重みを感じる分岐点となったことを語ってくれた。

その2019年の秋、NBA入りを目指してプレーグラウンドをアメリカへと移し、マーベリックスの傘下であるテキサス・レジェンズ(Gリーグ)と契約。だが、NBA入りは決して平たんな道ではない。しかも世界中で新型コロナウイルス感染症との戦いも繰り広げられており、馬場にとってテキサスでの2シーズンは「不完全燃焼」になってしまった。そこで主戦場をオーストラリア(NBL)へと変え、メルボルン・ユナイテッドと契約。メルボルンでディフェンス力を高めた馬場は、2022-23シーズンは再びテキサスと契約。過去2シーズンのテキサスでのプレーと比べて1試合の平均出場時間が34.3分と格段に増え、平均得点12.3点、3Pシュートの確率も40.8%(31/76)とスタッツもある程度残した。「でも、NBA入りを目指しているので納得はしていません。ただ次のシーズンに向かっていい糧にはなったと思います」と、昨シーズンの自身のプレーを振り返った。

 

チームをリードし、攻め気のあるバスケットで勝負!

今年、馬場が日本代表のユニフォームを着て最初にプレーしたのは、FIBAバスケットボールワールドカップ2023に向け行われた、7月8日、9日のチャイニーズ・タイペイとの強化試合。馬場にとっては2022年8月のFIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選Window4以来の代表戦だったが、リングへのアタックやファストブレイクからのダンクを決めるなど日本に勢いをもたらし2連勝に貢献。トム・ホーバスヘッドコーチ(HC)からは「チームを引っ張ってほしい」と言われているとのことだが、馬場本人も「海外でのプレー経験をしている分、経験値も他の選手よりもありますし、日本代表歴も長い。リーダーシップを発揮していきたいと思います」という頼もしい心構えを垣間見せた。

来るFIBAバスケットボールワールドカップ2023では、チームを引っ張る馬場のたくましい姿が見られるはずだが、本大会での戦い方、まずは予選ラウンドについて思い描いていることを聞くと、「初戦のドイツ戦に100%の力を注いでどう戦うかで大会自体・結果も変わってくるので、初戦を大事にしたい。個人的にはオーストラリアとの対戦が楽しみですし、とにかく受け身にならず攻めのバスケットをしたいと思います」と意気込んでいる。
そんな馬場も今年で28歳。「日本代表に入ってからメンタル面もかなり成長したと思いますし、プレー面でもルカ・パヴィセヴィッチ(現サンロッカーズ渋谷HC)に始まり、フリオ・ラマスコーチ(前男子日本代表HC)、そしてホーバスHCと、コーチに恵まれて、たくさんアドバイスをもらって選手としての幅が広がりました。数え切れないくらい成長したと思います」と、これまでの指揮官に感謝の言葉を口にする。

だからこそ日本代表としてプレーするFIBAバスケットボールワールドカップ2023への思いは強く、同じく日本代表に並々ならぬ思いを持っている渡邊雄太の「また連敗するようなことがあれば、代表のユニフォームを脱ぐつもりでいます」という発言について、馬場も同じような覚悟を持っていると明かしてくれた。「それこそFIBAバスケットボールワールドカップ2019、東京2020オリンピックを経験している選手も少なくなってきている中で、僕もその一人がですから(渡邊雄太の)その気持ちはすごく分かります。勝つことができないならやっぱり(自分が)いる意味がないと思いますし、勝ってナンボの日本代表戦。国の威信をかけてやるので、みんなの思いを背負う覚悟、それぐらいの気持ちでいます。ですから、今はFIBAバスケットボールワールドカップ2023での結果が第一で、先のことは見ていません。もし勝つことができなかったら、(そのことは)考えると思います」ときっぱりと言い切った。

覚悟を持って大会に臨むことを明かしてくれた

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