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2023.08.30

ジョシュ・ホーキンソン:疲れを知らない、頼れる男

74分。日本代表のゴール下の守護神、ジョシュ・ホーキンソンがFIBAバスケットボールワールドカップ2023の最近2試合、8月27日のフィンランド戦と8月29日のオーストラリア戦で試合に出た合計時間だ。80分中74分。フィンランド戦では37分32秒、オーストラリア戦では36分28秒に出場。2試合合計で6分しかベンチに下がらなかった。

正確に言うと、下げることができなかった。

日本代表ヘッドコーチのトム・ホーバスは言う。
「彼はインサイドのリバウンドも、インサイドのスコアリングもあるから。うちのオフェンスには必要だよ。外ばかりじゃなくて、速さばかりじゃなくて、インサイドプレーやスコアリングもある。(チームにとってその存在は)すごい大きいと思います」

相手チームが日本のガード陣の外からのシュートを警戒している中で、ホーキンソンのインサイドの攻撃力がないとオフェンスが停滞してしまう。相手ビッグマンとの激しい空中戦の中でもリバウンドを奪うことができる彼のタフさも欠かせない。

ワールドカップでアジア1位になってパリ五輪出場権を獲得することを最大の目標としている日本にとって、たとえ序盤で大差をつけられて勝ち目が薄い試合でも、得失点差を有利に持っていくために戦力を落とすことはできない。そのためにはホーキンソンを出し続けるしかないのだ。

実際、ホーキンソンが試合序盤からファウルトラブルになり、出場時間わずか25分弱だった初戦のドイツ戦では、その不在が大きく感じられた。その後のフィンランド戦では28点、19リバウンド、オーストラリア戦で33点、7リバウンドを奪っており、8月30日昼の時点で、1試合平均得点23.3点は大会5位、平均リバウンド12.0本は大会2位だ。

「前の試合(フィンランド戦)が37、38分で、きょう(オーストラリア戦)が36分ぐらい。少し疲れたけれど、会場のファンのエナジーをもらって、頑張った。ファンから多くのエナジーをもらったから、できる限りのことをしようしていたんだ」とホーキンソンは言う。
「(次の試合まで)中1日で回復するのは大変だけど、チームのトレーナーたちがとてもよく助けてくれる。彼らは多くの時間出場した選手たちのケアをとてもよくしてくれるんだ」とサポートしてくれるスタッフにも感謝した。

オーストラリア戦では、ペイント内で68点も取られてしまった。パティ・ミルズやジョシュ・ギディーのガード陣がペイントに攻め込むのを止めようとしたときに、ゼイビア・クックスらビッグマンに裏から入られ、ゴール下でノーマークシュートを決められたり、オフェンスリバウンドを奪われてしまった。
「すべてを抑えることはでいないのだけれど、ディフェンス・リバウンドをもう少し取れればよかった。僕自身も前の試合ほどリバウンドを取れなかった。それはひとつ後悔しているところだ」と反省する。
「できる限り点差を離されないように、必死だった。オーストラリアはすばらしいスタイルのバスケットボールをしている。みんながカットし、ボールがないところでも動いている。前半はある意味、圧倒されてしまったところがあった。それでも、僕らの後半の巻き返しは誇りに思う」

オーストラリア戦で、ホーキンソンと同じぐらい長時間コートに立ち、走り回っていたのが渡邊雄太だった。チームメイトを鼓舞し、励まし、仲間として戦う渡邊のリーダーシップについて聞くと、ホーキンソンはこう話した。
「時々、Bリーグ選手より自分たちが上だと考えているNBA選手がいるけれど、彼(渡邊)はそうじゃない。チームの一員、仲間のひとりとしてやってくれている。シーズン中はNBAでプレーしているけれど、僕らと繋がっていると感じられる。それはとてもありがたいことだ」
「前の試合(フィンランド戦)では得点はそこまであげていなかったけれど、(フィンランドのエースでNBA選手の)ラウリ・マルカネンとマッチアップし、彼を抑えようとしていた。フィールドゴール成功率を50%未満に抑えていたし、とてもよくやっていた。彼には『外にいるマルカネンを抑えてくれたら、ペイント内やリバウンドは任せてくれ』と言ったんだ」

渡邊雄太にとっても、ホーキンソンほど頼れる相棒はいない。
「ゴール下で身体張ってくれて、リバウンドも全部もぎ取ってくれて、本当にジョシュには、チームみんなすごい感謝しています。これだけ長い時間出て、あの強度でやっていると本当に大変なんですけど、その中でジョシュは一切弱音を吐かず、チームのために身体張ってくれてるんで。自分たちも、もっともっとできることがあると思いますし。本当にお互いをしっかり助け合ってやっていかなきゃいけないと思う」

大会前から、アジア1位を目標に戦ってきた。オーストラリアに敗れたことで2次ラウンドに進出することはできなかったが、アジア1位のへの道はまだ繋がっている。
ホーキンソンは言う。
「目標はアジア1位。絶対できる。残り2試合あるので、もっと頑張りたい」

文 = 宮地陽子

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